「マニラ首都圏の富と貧を感じるツアー」の話
先日、日本の友達にマニラのもっとディープな部分を見せたいと思い、マニラの友達にコーディネートをお願いしてツアーをしてきました。
もともとはマニラについてあまり知らない人が、マニラに対して思っていることに何か違和感があったから。
例えば、一方は急激な発展によって高層ビルが多くたち、オシャレで東京にも負けないくらい素敵なスポットが多くできたという話。もう一方は貧困層の住むスラムの話。
それぞれが何か別の世界にあるように見えるから(たぶん見せ方の問題なんだろうけど)、それらは同じ世界にあるんだ、ということを見せたかったから。(もしくは自分で見たかったから。)
なんてそれっぽい理由を並べてみたけど、本当は自分でコースを組むのが面倒で、なおかつ仕事で使えるかもしれない、といった大いなる打算からなんですが。
というわけで、何はともあれマニラ首都圏ツアーに行ってきた話です。
今回の旅程
パヤタスのパートナーに会ってくる。
まず初めに、ワールドブリッジクラブの取引先でパートナーであるHabiの、現地パートナーのコミュニティに行ってきました。
パヤタスにあるんですが、そこでは要らなくなったコットンをリサイクルして雑貨やサンダルの素材なんかを作っています。
そのコミュニティの代表のkuya(クヤ タガログ語で年上の男性に付ける敬称)の話を聞いた後は実際にコースターを作ってみます。一緒に行った日本の友達はかなり苦戦していて、一人はギブアップしていました。(私は前回来た時、今まで教えてきた中で一番覚えが早いとお褒めをいただきました。ただの自慢です。)
そのあとはもう一つの現地パートナーのコミュニティへ。
同じパヤタス内になりますが、初めのコミュニティとは別のコミュニティ。こちらでは初めに訪れたコミュニティとは別の製品を作っています。Kuya曰く、同じパヤタス内で、地域の収入向上を目指す仲間であり、起業家としてはライバル、だそうです。
バイオプラント(旧ダンプサイト)訪問
その後はパヤタスのバイオプラントを訪れました。
ここは元々ゴミ山(ダンプサイト、スモーキーマウンテン)だったところで、現在はメタンガスを利用したバイオプラントが外国の企業によって運営されています。
ただ、バイオプラントになる前はスカベンジャーと呼ばれるごみを拾って生活する人たちがおり、その人たちの立ち退きをめぐって混乱が起きたそうです。
ここで一つ、パヤタスとゴミ山の話を。
パヤタスのゴミ山が世界的に有名になったのは2000年に起きた崩落事故がきっかけ。
そこではスカベンジャーと呼ばれる、ゴミを拾って生活していた人が多くいたけど、その崩落事故によって234名の人が無くなりました。(実際の犠牲者はもっとはるかに多いとも言われています。)
その事故をきっかけに、政府がパヤタスのゴミ山の閉鎖を決めます。
その後はゴミ山から発生するメタンガスを利用して発電所を作る計画が立ち上がり、2007年にバイオプラントが稼働し現在に至ります。
(パヤタス-ゴミ山についてもっと詳しく知りたい方は、日本語で”パヤタス”と検索すると、ゴミ山についての情報がずらっと出てきます。)
バイオプラント稼働当初は周囲の家庭に無料で電力を配り、「その電気でアイロンが動く」なんていうパフォーマンスもやっていたそうです。また、ゴミ山閉鎖に伴い、ゴミから収入を得ていた人たちに別の仕事をということで、バイオプラントを運営する会社の主導で、電気関連の職業訓練が行われたんですが、上手くいかなかったそうです。
私はパヤタスのゴミ山がバイオプラントに変わっているとは、実際に来てみるまで知りませんでした。まだ完全に閉鎖される前に来たことがあって、その時のイメージが強く残っていたせいか、ゴミ山は変わることがないと、どこかで思っていたのかもしれません。(変化に伴ってまた別の問題が出てきてるのでしょうが。)
グリーンベルト(Green belt)
その後はGreen belt(グリーンベルト)へ移動します。
グリーンベルトは、マニラ首都圏のビジネスの中心街、マカティの中にあるショッピングモールです。数多くあるマニラのショッピングモールの中でも特に洗練され高級感があります。
ここで、なんでグリーンベルトに来たのかその理由を。
今回のツアーでは、フィリピンの中の富の部分と貧の部分を同時に見て、その違いを感じてみようという趣旨でした。そのためマニラの中でも特に富が集まる場所、グリーンベルトに来ることになりました。
さて、高級感溢れるグリーンベルト内の、フィリピン料理が食べられるチェーン店でお昼ご飯を食べたあとは、電車でRECTO/DOROTEO JOSEという駅に向かいます。
LRT(電車)でRECTO/DOROTEO JOSEへ(刑務所と、その地域の暮らしを見る)
この駅の周辺には刑務所があり、また貧困層の人たちが多く暮らす地域だそうです。
直前にグリーンベルトの高級な雰囲気を感じていたことで、その違いが鮮明に感じられます。
グリーンベルトのようなものすごく発展しているところを見ると、国がものすごい勢いで発展してきていると感じてしまいます。
事実、フィリピンは素晴らしい経済発展を続けています。アジア開発銀行によると、2019年の経済成長率は6%を超える見通しだということです。
その一方で、貧困層が多く暮らす場所を見ることで、国の経済発展の恩恵を受けられるのは一部の人で、大多数の人は変わることができない現実も見えてきます。
余談ですが、パートナーに聞いた話だと、フィリピンで5人家族が暮らすには最低約40,000ペソ(日本円で約80,000円)必要なのだそうです。
まとめ
その後はいい時間になってきたので、ジプニーでリサール公園に移動し、グルっと一周回ってそのままホテルに移動してツアーは終わりました。
私が一番初めにマニラの様々な側面に触れた時は、なぜだかわからないけどものすごくショックを受けたことは覚えていますが、今回一緒に回った日本の友達はどう思ったのか、後日聞いてみたいと思います。
最後に、マニラ首都圏の様々な面を見る今回のツアーで私が思ったことは・・・・
暑かった!!
関連記事
すべて表示今回はミャンマー最大のキリスト教少数民族、カチン族についてご紹介します。 カチン族は、ミャンマー北部の中国との国境にあるカチン州を中心に暮らしています。同じ地域に住むチベット・ビルマ語族に属する十数種類の異なる言語を話す民族のことをまとめてカチン人と呼ぶこともあります。...
Comments